記事の詳細

1988年~1989年に竹下首相の発案により実施された『ふるさと創生事業』 この事業のあらましを説明すると一億円を各地方にばら撒き、その使い道に国は関与しないというイカした内容である。一億円を交付された各自治体はそれはそれは様々な使い方をしたのであるが我が郷里青森県は群を抜いてどうかしていた。

有名な所では黒石市の純金こけしである。このこけしは盛秀型で高さ50cm、重さ58.375kg、純度99.99%、価格もちろん一億円。同サイズの純銀こけし(825.078円)と共に展示された。展示期間は1989年11月20日から2007年10月21日の約18年間で現在はレプリカが展示されている。2007年11月30日、競売に掛けられ宮城県の株式会社ジャパンヘルスサミットが1億9000万相当で落札、黒石から旅立つ。落札者のジャパンヘルスサミット島川隆哉社長は青森県出身で県の応援で落札された模様。ちなみに黒石市の借金凄いらしい。

株式会社ジャパンヘルスサミット 平成2年設立 資本金1億

ここからが本題です。上記の『ふるさと創生事業』が青森県木造市に齎したモノは他の追随を許さない。木造市は遮光器土偶を出土した亀ケ岡遺跡が有名である。他にも出来島の姥捨て伝説など芳ばしい話があるが割愛させて戴く。

土偶aのコピー

←こちらが東京国立博物館に展示されている遮光器土偶(以下シャコちゃん)。    亀ケ岡遺跡は、1622年に城を築こうとした際、土偶や土器が多数出土し発見された遺跡で、発掘された品は数万点どっかにいってしまった。1889年に漸く本格的な学術調査が行われ発掘作業に至る。聞く話に依るとこの地区に田畑を持つ農家は完品状態の遮光器土偶を普通に持っているらしいが真偽のほどはわからない。数奇な運命を辿るシャコちゃんの略歴をば下に御用意致しました。

紀元前10世紀頃、作られる。

1887年、発掘。

1957年、重要文化財に指定。

1992年、駅となる。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

そう、駅となる。
国鉄の経営悪化に伴い木造駅は無人化が決まる。無人駅と化した場合、往々にして駅舎を簡略化するものなのだが木造市には自由に使える一億円が舞い込んだ。そこで市が寂れるのを危惧した市職員は大胆な行動をとる。一億使って駅舎を土偶にしたのだ。
デザイナーの三上修司さん(市職員)は、シャコちゃんに線路を跨がせるというアバンギャルドな構想をJRに提出するも敢え無く却下。ならば壁に貼り付けるのはどうか案で1年掛けてJRを口説き落し見事なコンクリート製シャコちゃんの完成と相成った訳である。
完全な無人駅という訳で無く、市職員が7:00~18:00の間働いている。JR職員が居ない為定時で無人と化す。

888
かつてシャコちゃんが出来たばっかの頃には電車発着のたび目がビカビカ点滅する『いらっしゃいビーム』を発していたが、子供が怖がる、ババアがびびるとの理由から自粛するようになったとの事。駅に居る市職員に頼むと光るボタンを押してくれるのだが注意点が2つある。まず1つめは、営業時間内に行く事。2つめは、いらっしゃいビーム一回の点滅時間は一分しか無い事だ。これさえ憶えておけば木造市(現木造町)を堪能出来る事請け合いだ。

住所 青森県つがる市木造房松10
電話 0173-42-2110
営業時間 7:00~18:00

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る